VisaのTap to Phone、 世界の店舗の決済を大きく変える

10/22/2020

現在15以上の市場で導入されているTap to Phoneサービスでは、店舗にNFC対応のAndroidデバイスがあれば、追加のハードウェアなしでコンタクトレス決済が可能に。米国では2021年より提供開始予定。

*本リリースは2020年10月21日シンガポールにて発表されたリリースの抄訳です。

 

シンガポール発、2020年10月21日—新型コロナウイルスが世界で猛威をふるう中、デジタル決済の普及がますます加速しています。Visa(NYSE:V)のTap to Phoneサービスを利用すると、店舗はシンプルなモバイルアプリを通じて迅速かつ安全なコンタクトレス決済が可能となり、消費者の決済体験を向上させることができます。Visaは、1年間にわたるTap to Phoneの試験運用を経て、世界15市場以上で本サービスの提供を開始することを本日発表しました。今後、Visa Ready for Tap to Phoneパートナーを含む35社以上の新規パートナーの協力のもと、米国を始めとする世界の他地域にもサービスを拡大させる計画です。

 

Tap to Phoneは、現行世代のAndroidのスマートフォンまたはタブレットを、追加的なハードウェアなしに、非接触型またはタッチ式のソフトウェアベースPOS(softPOS)端末として利用できます。Visaが5,000万店の小規模・超小規模事業者の決済のデジタル化を推進するという取り組みの一環として提供するこのコスト効率の高いツールにより、事業者は迅速にデジタル決済を導入して販売機会の喪失を防ぐことができると同時に、いつでもどこでも非接触決済が可能になることで、キャッシュフローを向上させることができます。Tap to Phoneは、すでに欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋、南米の数多くの国々で稼働しており、利用している事業者の数は、この1年間で200%増えています。最近、Tap to Phoneの提供が開始された国としては、ベラルーシ、マレーシア、ペルー、ロシア、南アフリカがあり、近々、ブラジル、イタリア、英国でも提供を開始する予定です。

 

数字で見るTap to Phoneの将来性:

·       世界中に普及している20億台のAndroidデバイスを、決済処理デバイスに転用できます[1]。

·       現在、全世界における超小規模/小規模店舗(MSM)の数は1億8,000万店に上る中、数多くの新興市場のMSMのうち、デジタル決済を受け入れている店舗は10%を下回っているなど、Tap to Phoneが入り込む余地は大きいと言えます[2]。

·       Visaが実施した調査[3]によると、MSMの63%は自分の事業にTap to Phoneを導入したいと回答しており、消費者の50%以上がTap to Phoneを利用してみたいと回答しています。

 

Visaのアジア太平洋地域担当プレジデントのクリス・クラークは次のように述べています。「Visaが、事実上あらゆるIoTデバイスやモバイルデバイスで支払決済ができるようにしようという目標を掲げたのは、わずか5年前のことでした。今ではVisa Tap to Phoneを通じて、これらのデバイスの多くで非常に簡単に決済の受入処理をすることが可能になっています。特にアジア太平洋地域のようにモバイルファーストが日常生活に浸透している地域において、その将来性は極めて大きいと言えます。Visa Tap to Phoneは、ビジネスのデジタル化が進むにつれ、決済体験に大きなインパクトを与えることになるでしょう。」 

 

このコロナ禍において、タッチ式決済またはコンタクトレス決済の普及が急速に進んでいます。Visaでは、タッチ式決済による支払が前年度比で40%増加しています[4]。Visaが行った最近の調査によると、消費者の約半数(48%)が、レジ係やカードリーダーのような共有の機械と接触する必要がある支払い手段しか提供しない店舗では買い物をしないと回答しており[5]、事業者にとって現金以外の決済手段を拡充することが重要になってきています。

 

実店舗ショッピングを刷新 - もはやPOSに制約されない

Visaのデータによると[6]、現在のところ、softPOSが最も活用されているカテゴリーは、飲食店、旅行関連、および食料雑貨店です。しかし、Tap to Phoneはそれ以外の場面でも消費者体験をさまざまに向上させることができます。

·       行列の解消:6フィート(約1.8m)のソーシャルディスタンスが義務化されている中、店舗では行列が非常に長くなりがちです。Tap to Phoneにより、従業員は店舗のどこにいてもすばやく会計処理を行うことができます。 

·       交通:Visaは、日本*とベラルーシで初めて、Tap to Phoneがいかに独立型の発券機や車掌が使う検札端末機を省略できるかを示すことができました。

·       場所にとらわれないサービスベースのビジネス:コードで接続されたPOSや決済のための周辺装置なしでも、どこからでも販売し、その場で支払いを受けることができます。

·       着払い:Tap to Phoneがあれば、着払いをする際に現金を用意する必要がなく、やり取りの接触も最小限で済みます。

 

*日本では、茨城交通、岩手県北バスで導入済み、10月末より、福島交通・会津バスで導入予定です。交通その他の分野での今後の展開は、導入時期や運用等を含め検討中です。

 

グローバルパートナーネットワークの構築により、サービスの提供を加速

さらに本日発表したVisa Ready for Tap to Phoneプログラムは、世界でのサービス提供開始までのプロセスを短縮し、ソリューションプロバイダの機能評価の期間を2か月から数時間に短縮します。Visa Ready for Tap to Phoneにより、テクノロジー企業がVisa Ready認定を取得することで、店舗は自ら選んだ技術ソリューションがVisaの厳しいセキュリティ水準を満たしているという安心感を得ることができます。Visa Ready for Tap to Phoneプログラムの初期の参加者には、Cellfie、Center of Corporate Technologies M4Bank、Digitsecure、GeoPagos、IBA Group、MYPINPAD、PayCore、Phos, Quest、Rubean、SmartPesa、SoftPos、Soft Space、Technoといった企業が名を連ねています。 

 

最近加わったVisa認定技術パートナー、アクワイアラパートナー、および行政パートナーには、Alfa Bank Kazakhstn、Banco Popular、BPS Sberbank Belarus、CIMB、FirstData、FT Technologies、Halyk Bank、Hong Leong Bank、Kazpost、MagicCube、Maybank、Niubiz、Oschadbank、Payments Sense、PostePay、Priorbank、Promerica、Russian Standard Bank、Sberbank Kazakhstan、Symbioticがあります。

 

詳細にご興味をお持ちのソリューションプロバイダまたはアクワイアラ事業者の皆様は、Visa Ready ウェブサイトをご覧ください。

 

[1]2019年12月のNFCフォーラムで引用されたIHS マークイットの調査結果

[2]Dalberg社『Small Merchants, Big Opportunity, The Forgotten Path to Financial Inclusion』(小規模店舗、大きなチャンス - 金融インクルージョンに向けて見過ごされがちな経路)

[3]Visa『Understanding The Future of International Tap to Phone Acceptance Study』(国際的なTap to Phoneの将来性を理解するための受け入れ度調査)

[4]Visa Inc、Q2 2020 Earnings(2020年第2四半期業績報告)

[5]『Visa Back to Business Study』、2020年8月

[6] 2019年1月から2020年9月までの間にVisa Tap to Phoneプログラム参加者から寄せられたデータ。

 

Tap to Phoneの仕組み

店舗は、アクワイアラがサポートするアプリをダウンロードし、登録後に銀行を選択することで、非接触決済の受け入れをわずか数分で開始できます。Tap to Phoneは、セキュリティ性能の高いEMVチップ技術をベースに構築されており、各トランザクションには再利用できない動的な暗号が含まれています。Tap to Phoneの仕組みについてさらに詳しく知りたい場合は、こちらから動画デモをご覧いただけます。

 

パートナーの声 – 当社のリージョナルパートナーやグローバルパートナーによるVisa Tap to Phoneへの評価をご紹介します。

 

·      Cellfie(アジア太平洋地域)

o  「Visa Tap Phoneを利用すると、小規模/超小規模店舗でも迅速にコンタクトレス決済への対応が可能になります。世界的なパンデミックで非接触決済への需要が高まる中、Cellfieは、駐車場での商品の受け渡し、デリバリー、レストランのテラス席での決済といった状況でモバイル決済を処理できる態勢づくりをお手伝いします。」

– Cellfie社、共同創設者兼CEO、ジュリアン・リー氏

 

·      Quest(アジア太平洋地域)

o   「当社はVisaとのパートナーシップを通じ、あらゆる規模のビジネスの日々の業務を大いに効率化する革新的な技術の立ち上げに関わることを光栄に思っています。新型コロナウイルスの蔓延により、人々の支払い方法や事業を展開する店舗の数が変化しましたが、この新しいソリューションは、人々が求めるシームレスで、柔軟で、便利な決済処理を可能にします。」

– Quest Payments Systems社、プロダクトイノベーション部門長、トム・グラハム氏

 

·      SmartPesa(アジア太平洋地域)

o   「消費者が現金による取引から安全なコンタクトレス決済に移行する中、Visaと当社が提供するTap to Phoneソリューションにより、アクワイアラは経済的で簡単なオンボーディングプロセスを通じ、店舗にすばやく安全にデジタル経済をもたらすことができます。当社はまた、スマートフォン決済にさらなる安心をプラスする、暗証番号を使用した決済処理機能も提供しています。」

– SmartPesa社、バリー・レベット氏  

 

·      Soft Space(アジア太平洋地域)

o   「Tap to Phoneはまさに理想的なタイミングで市場に登場したと思います。これまでも、多くの店舗、特に小規模店舗が、この決済機能のおかげでデジタル化とモダナイズの波に乗ることができました。マレーシアの非接触カードの高い普及率と、決済の承認のために直接PIN番号を入力するTap to Phoneの便利で安全な機能が相まって、非接触決済の利用がさらに加速することでしょう。」

– Soft Space社、CEO、ジョエル・テイ氏

 

·      MagicCube(グローバル)

o   「MagicCubeは、Visaと緊密に連携しながら、モバイルデバイスに向けたフル機能のタッチ& PINソリューション(SoftPOS + PIN)に焦点を当て、決済処理ポイントを全世界に広げることに注力しています。当社の差別化をもたらすテクノロジーと次世代の決済受入技術に関するVisaのグローバルな取り組みとのコンビネーションは、店舗、小売業者、そしてアクワイアラにとって、取引のデジタル化とコンタクトレスの利用を大幅に拡大する強力な推進力になることでしょう。モバイルデバイスでタッチ & PINトランザクションを処理できる当社のi-Acceptソリューションは、英国で活躍する欧州トップのフィンテック企業によって間もなく稼働が開始されますが、これによりあらゆるパーソナル携帯デバイスを安全な決済処理端末として利用できるようになります。当社は、決済の未来を再定義するVisaの革新的アプローチに引き続き協力できることに意気込みを感じています。」

– MagicCube社、共同創設者兼CEO、サム・シャウキ氏

 

·      MYPINPAD(グローバル)

o   「当社は、自社の製品がVisaのTap to PhoneソリューションとしてVisa Ready認定を取得できたことをうれしく思っています。Tap to Phoneは、Android携帯電話やタブレットといった日常的に使うデバイスを通じてデジタル決済を処理できるコスト効率的でシンプルな手段を提供します。MYPINPADは、AndroidやiOSデバイス用のソフトウェアPIN入力ソリューションに対して、PCI SSC(Payment Card Industry Security Standards Council)の認定を受けた世界唯一の企業であり、またソフトウェアオンリーの商用オフザシェルフ向けコンタクトレス決済(CPoC)ソリューションに対して、世界で初めてPCI認定を取得しました。当社は、Visaと協力し合うことで、真にソフトウエアベースの決済処理ソリューションを生み出すことができたと同時に、安全なオムニチャネル決済のためのユビキタスソリューションの実現にさらに近づくことができました。」

– MYPINPAD社、創設者、ジャスティン・パイク氏

 

Visaについて

Visaは、電子決済の世界的リーダーです。Visaのミッションは、最も革新的で信頼性が高く安全な決済ネットワークで世界を結び、個人や企業、そして経済の繁栄に貢献することです。Visaが保有する最先端のグローバルなプロセシングネットワークであるVisaNetは、毎秒65,000件を超す取引を処理することができ、世界中に安全かつ信頼のおける電子決済を提供します。デバイスにかかわらず、誰でもどこでも利用できるデジタル・コマースの急速な発展を目指し、Visaは常にイノベーションの追求に邁進しています。世界がアナログからデジタルに移行しつつある今、Visaは自社のブランド、商品、人材、ネットワーク、および企業スケールを活かして商取引の未来を形作っていきます。詳しくは、https://usa.visa.com/about-visa/our_business.html(英語サイト)またはwww.visa.co.jp(日本語サイト)をご覧ください。