VisaとSAP、企業間決済の効率化に向け連携

06/28/2023

* *本リリースは 2023 年 6月 28 日にシンガポールにて発表されたリリースの抄訳です。
原文: Visa and SAP join forces to make enterprise payments more efficient


Visaの決済をSAPの法人ソリューションのエコシステムに組み込み、カード決済未対応の取引先でもシームレスな支払いが可能に


シンガポール 2023年6月28日 Visaは本日、大小企業や政府機関、非営利団体のB2B決済の合理化、簡素化に向け、SAPと提携契約を締結したことを発表しました。アジア太平洋地域発のこの連携は、デジタル決済において世界のリーディングカンパニーであるVisaと、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場で世界有数の企業の1つであるSAPが、SAP Business Technology Platform(BTP)を通してSAPのエコシステムに決済ソリューションを組み込む革新的な初の取り組みとなります。

世界の大企業の約99%がSAPの顧客です1。今回の連携により、VisaとSAPはB2B市場におけるエンベデッド・ファイナンスを推進し、金融サービスを業務に組み込むことを目指します。B2B決済処理のデジタル化のビジネスチャンスは現在、アジア太平洋地域全体で50兆ドルを超えるとVisaでは試算しています2

Visaは、B2B領域での事業拡大を目的とする戦略に沿った今回の連携により、消費者向けの決済だけでなく、個人、企業、政府間の決済により幅広く対応します。これには掛け払い、カードによる法人決済やクロスボーダー決済などが含まれます。

Visaアジア太平洋地域リージョナル プレジデントのスティーブン・カーピン(Stephen Karpin)は次のように述べています。「決済のデジタル化が進んでいますが、その大部分が消費者向けのものです。企業間でも時代に合ったB2B決済体験の向上が喫緊に求められています。SAPとの協業は、企業が既存のエンタープライズ・エコシステムの外で、取引先が対応する決済手段で支払うのではなく、SAPのプラットフォーム上でVisaのコーポレートカードを利用してすぐに支払いを行うことができるため、B2B決済をよりシンプルで直感的に行える画期的なステップです。B2B決済スピーディーに手軽に行えるようになることで、大切な時間やリソースを別の業務に充てることが可能となります。」

またSAPは、この連携により、同社のソフトウェアを利用する顧客の体験を向上させることが可能となります。B2B決済サービスをSAP BTPに組み込み、便利なVisaの決済サービスをSAPの顧客に提供します。調達業務の最終ステップである決済をさらに自動化し、数クリックで安全に決済できるようになることで、調達業務の効率を改善することができます。

SAPアジア太平洋・日本地域担当プレジデントのポール・マリオット(Paul Marriott)氏は、次のように述べています。「Visaと連携することで、B2B決済プロセスを合理化、簡素化し、両社のお客様の業務効率化を支援します。Visaの決済をSAPエコシステムに組み込み、デジタルコマースを拡充、推進します。両社の協業により、小規模企業から政府機関や非営利団体まで、あらゆる組織が数クリックで安全に決済できるようになり、調達の最後のステップが大きく変わります。」

このエンベデッド・ファイナンスのソリューションは、SAPのオーストラリア、インド、日本、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナムにおけるクライアントから提供を開始し、アジア太平洋地域の他の市場にも順次展開していく予定です。

SAP BTPはSAPアプリケーションのために最適化された、事業向けの相互運用性のある技術環境です。アプリケーション開発、自動化、統合、データ&アナリティクス、人工知能(AI)といった機能を単一のプラットフォーム上にまとめたものです。VisaとSAPが新たに協業することで、サプライチェーンにおける運転資金のギャップ解消を支援します。Visaは一連のコマース・決済ソリューションにより、カード決済の対応・未対応を問わずあらゆる取引先に送金できる機能をSAP BTPを通して提供します。Visaカードを保有する企業はそのメリットを活かし、国内送金でも海外送金でもシームレスに決済を行えるようになります。

両社は今回の提携により、アジア太平洋地域のサプライチェーンにおけるB2B決済のデジタル化、スピード化を進めます。アジア太平洋地域では多くの企業、特に小規模の企業ほどB2B決済処理のデジタル化のリソースが不足しており、カードによる企業間決済に対応できていません。カードでの支払いを希望する企業が、現金や小切手といった旧来の時間のかかるアナログ決済を迫られ、デジタル決済をできないという問題があります。また、旧来の決済手段による取引は処理や完了に時間がかかる傾向があり、支払い側、取引先の双方にとってキャッシュフローにも影響が出ます。
 

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1 SAP Corporate Factsheet: https://www.sap.com/about/company.html
2 VisaがMcKinseyと2020年に実施した調査・分析に基づく。
 

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【Visaについて】
Visaは電子決済の世界的リーダーとして、世界200以上の国と地域における決済取引によって消費者、加盟店、金融機関や政府機関をつないでいます。Visaのミッションは、最も革新的かつ利便性や信頼性が高く安全な決済ネットワークで世界を結び、個人や企業、そして経済の繁栄に貢献することです。私たちは、世界中のすべての人にとっての包括的な経済こそが、世界中の人々の生活を向上させ、経済へのアクセスが決済の未来へつながると信じています。詳しくは、Visa.com(英語サイト)またはwww.visa.co.jp(日本語サイト)をご覧ください。